「夏」をテーマに大川(隅田川)での花火を描きました。
浴衣は夏にふさわしい柄を選びました。
長い文ですが柄のいわれを書いています。面白いのでぜひ読んで下さい。
🔲男性の浴衣文様
蝙蝠と三筋格子。雷文をあしらっています。
資料を見ていると江戸時代は蝙蝠文様が沢山あるのに気付きます。
何故かなぁと思い調べてみるとこういうことのようです。
中国では「蝠」と「福」が同音のため、蝙蝠は福を呼ぶものとし、めでたい動物とされ、韓国も、日本もその影響を受け吉祥文様として普及したということです。
ところで、歌舞伎『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』でお馴染みの『切られ与三』。
『切られ与三』の「源氏店(げんやだな)」の場で蝙蝠安が与三郎に対し、
自分の頬に付けた蝙蝠の刺青と与三郎の顔の傷にかけて「三筋に蝙蝠はつきもの」という。
与三郎を演じる市川團十郎の定紋は「三筋格子」だそうです。
与三こと井筒与三郎。安こと蝙蝠安。お富の着ている着物は弁慶格子、お富が住んでいる家は黒板塀に格子造りということで、「井筒」「蝙蝠」「格子縞」はセットであり、少しずつ変化しながら、この文様が普及していったということです。(横浜きものあそび、参照しました)
🔲女性の浴衣文様
浴衣は雪輪、帯は霰縞(あられじま)。
文様の起源については諸説あります。切れ込みの数や深さはまちまちですが、結晶の六角に合わせ六個に定着したようです。
そして雪輪文様は清涼感を演出するために、浴衣のような夏の衣装に好んで使われました。
帯のあられ縞は、縞柄のすっきり感とあられの水玉の清涼感を表しています。
涼しさを求める夏らしい柄だと思います。
🔲江戸の花火
江戸時代の花火の色は赤だけだったそうで結構地味だったかもしれませんね。
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sace (水曜日, 22 7月 2015 21:30)
カステラの福砂屋のロゴマーク、コウモリの理由が今、わかりました〜!
江戸時代の一生分の情報=現代の一日の情報 でしたっけ?
赤一色の花火でも十分楽しめたのではないでしょうか。
kato-kayoko (水曜日, 22 7月 2015 22:53)
カステラ屋のマークはそういう意味だそうですよ。
着物の柄や色の名前など調べているととても興味深いです。
縁起担ぎや語呂合わせ、日本人て結構、滑稽かも〜。
ところで、江戸の花火の色は炭火色で、硝石・硫黄・木炭を原料とした火薬なので赤橙色一色で「和火」というそうです。
明治維新の頃になると、外国から様々な発色剤が輸入されてきて、多様な色が出てきてこちらは「洋火」というらしい。
復活した和火の写真を見たけれど、非常に地味でした。