井上ひさし著 「手鎖心中」
MJでの課題、小説挿絵の練習で、井上ひさし氏の「手鎖心中」の挿絵を描いてみました。
文庫本の裏表紙には次のように書かれています。
材木問屋の若旦那、栄次郎は絵草子の作者になりたいと死ぬほど願うあまり、自ら勘当や手鎖の刑を受け、果ては作りごとの心中を企むが、ばかばかしいことに命を懸け、茶番によって真実に迫ろうとする、戯作者の業を描いて、ユーモラスな中に凄みの漂う直木賞受賞作。
解説には昨年亡くなった中村勘三郎氏が書いていて、歌舞伎との関連も書かれていて彼らしく楽しくしかも深い解説です。これを読むと、もともとこの小説は、山東京伝の「江戸生艶気樺焼」(えどうまれうわきのかばやき)のパロディらしいですね。小説の文中にもそういうことがチラと書かれています。
そういうわけで、ちょっとユーモアの感じを出したかったんだけど、文字を入れたのが説明っぽいようだったかも。
上の絵は栄次郎の友人、やはり絵草子作者になりたいこの小説の語り手、与七。言葉をいじくらないと気のすまない業、性格の持ち主。
下の絵は、心中の真似をする栄次郎。洒落で真似ごとの心中なので、ちょっと余裕気味の笑いを入れてみました。
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